小学校教科担任制

小学校教員の教科担任制って…

ちょっと前のニュースですが、文科大臣の会見で話題になった小学校の教科担任制


記者)
 先日、小学校5、6年生で教科担任制を導入するということが一部でありましたけれども、現段階でどのような形での導入というのを検討されているのかということを教えていただけますでしょうか。


大臣)
 子供たちがSociety5.0時代に必要な力を備え、予測不可能な未来社会を自立的に生きていくことができるように、先端技術の活用や学校における働き方改革を強力に推進するとともに、教育課程や教員免許制度の見直し等も含む初等中等教育の在り方について検討する必要があると考えております。また、教育再生実行会議においてですね、新時代に対応した高等学校改革や技術の進展に応じた教育の革新について検討がされており、今年の1月には中間報告が取りまとめられたところであります。本当に多岐にわたる中間報告でもございました。このためですね、新しい時代に対応した義務教育や高等学校教育の在り方、教師に関する制度の在り方やICT環境を含む教育環境の整備、増加する外国人児童生徒等への教育の在り方などの初等中等教育に関する課題を総合的に検討する必要があると考えておりまして、近々中央教育審議会に諮問して、御議論をいただくことを考えております。


記者)
 確認なんですけれども、教科担任制もその中に含まれるということでしょうか。


大臣)
 はい。小学校においては、その発達の段階から学級担任制を基本としておりますけれども、現在においても、子どもの興味・関心、能力が多様化する高学年を中心として、教師の特性や専門性を生かして一部の教科において教科担任制を実施している学校がかなりあるというように承知をしております。また、小学校の教科担任制の充実によって、教師一人当たりの持ちコマ数等の改善につながることも期待されておりまして、これは「学校における働き方改革」の答申においても、今後検討を要する事項として、小学校の教科担任制の充実が挙げられているところであります。したがって、先ほど紹介をさせていただいたとおり、中央教育審議会において検討していただくことを考えております。

柴山昌彦文部科学大臣記者会見録(平成31年4月12日)

「 教師の特性や専門性を生かして一部の教科において教科担任制を実施している学校がかなりある 」と述べておりますが、そもそも、小学校に理科の専門課程をクリアした先生ってどれぐらいいるんでしょうかね。

教員免許状って

そもそも小学校教員に理想像を投影し過ぎていると前から感じています。というのも、小学校教員に必要な大学等での必要時間数って各教科に対して各4単位程度ですよ。授業としては各教科2コマですか。それで教えられるのかと。しかも、小学校教員免許状って取得要件的に養成課程での取得者が多くって、その大半が文系。大学受験時に理科(下手したら数学も)やってない。そんな養成をしてるんですよ、知ってましたか。ちなみに、大学の取得単位さえこなせていれば、免許状はもらえます。特別な試験があるわけではないのです。(ボクは教員免許更新制度に否定的ですけど、小学校の先生方に数学や理科の学び直し講座を設置して、更新制度に含めるのはアリだなと感じてはいます。)

大学授業2コマ分で

さて、想像をしてもらいたいのですが、文系の大学受験の対策をしていた学生が、大学生活で授業2コマ分の取得単位で、理系科目を小学生に対して教えることが可能なのかと。算数や理科は中学から高校にかけて、学ぶ内容にストーリーがありまして、その基礎段階を小学生で本当はやっているわけです。次につながる学びをしているわけです。が、おそらく高校数学や高校理科があやしい小学校の先生が(ただでさえ、ほかのことで忙しいのに)カバーできているはずもないわけです。

だからこそ、専科で、

って、思っているかもしれませんが、
「 教師の特性や専門性を生かして一部の教科において教科担任制を実施している学校がかなりある 」 って認識なんですよ。そこがアヤシイ。小学校で理科の教科を専科にしているケースをいくつか知っていますが、その先生の大半が理科のこと専門にしてないです。やる人がいないから、やっているケースが多いわけで。そもそも、小学校に理系専科の先生って学校に1名いるかいないかぐらいの人数ですから。そんな都合のいい人材いないんですって。

小学校教員養成課程を行っている大学を調べたら、わかることですが、ほとんどの大学が文系科目のみでの受験が可能となっています。特に地方私立大はそんな感じ。小学校教員養成課程は人気があります。学生確保に必死な大学としては、教員採用試験対策をして、地元に残れる人材を育成することを売りにしていますね。そうでもしないと先生の担い手がいないのことが問題の根本なんですけどね。

学校や教育だけの問題ではない

もはや、○○の問題である。と単純に言ってしまえる段階ではないと感じてます。そもそも、教員の質が担保できなくなっている社会構造であることが、問題の根底にあるように感じます。

最近【「%」が分からない大学生 日本の数学教育の致命的欠陥 芳沢光雄 (著)】という新書が出版されていますが、これぐらい理系教育はアヤシイところにまできています。

今も昔も、小学校の算数で「元にする量」と「比べられる量」を習う。
そして、元にする量を1としたときの比べられる量が0.01のとき、
その割合は1%と定められる。
この「%」は全世界共通の言葉で、
人口、予算に占める各種対象、食品の成分などの
割合や変化といった様々なものを測るときに用いられ、
私たちが社会を営む上で、現代では最も重要な指標である。
だが、全国学力テストで出題された濃度の問題で、
昭和の時代と比べると約20%も正解率が下がったことに象徴されるように、
小・中学生が「%」を極端に苦手とする結果が同テストで続出している。
日本では、こうした問題に何ら対策を講じてこなかったばかりでなく、
「は・じ・き」「く・も・わ」式の理解無視の暗記式の教育も加わって、
現在、「『%』が分からない大学生」が大量に在籍する状況に陥った。
本書では、こうした問題を日本の数学教育に対する警告と受け止め、
根本的な改革案を提案するものである。
問題の本質は大学生にあるのではなく、現在の教育のあり方なのだ。
「やり方」を覚えるだけの暗記ではなく、プロセスの理解が大切なのである。

「%」が分からない大学生 日本の数学教育の致命的欠陥 (光文社新書) 新書 – 芳沢光雄 (著)

教員養成課程の大学生とて違いはありません。そして、卒業して教員になり、小学生に理系科目を教えているわけです。専科教員の配置はすぐにでも行わないといけないぐらいでしょう。でも、そんな都合のいい人材なんていないんです。追い打ちをかけるように教員の不人気っぷりですし。

なので、コミュニティー全体で、小学生対象に理系科目の面白さや思考方法を伝えていかないといけないんだろうなと。ICTやプログラミング・英語教育も同じです。もう、学校(特に小学校)だけでなんとかなる段階は通り過ぎちゃってる気がします。だから、先生も学校の外へ出て、助けを求めるようになっていけばなと。ボクができることがあれば、可能な範囲で何なりと。

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